2019年03月01日

平成30年度 3月のおたより

平成30年度もいよいよ最終月を迎えることとなりました。園庭の梅の木に、ちらほらと花がほころびはじめました。まだ冷たい風が吹いている園庭に、まるで春の息吹を運んで来てくれたように感じます。その園庭では、どの学年の子ども達もが、本当によく遊びに興じている様子がうかがえます。特に友だちと関わり合う事が楽しくなってきた年少児達は、あまりルールに囚われない、単純な追いかけっこやごっこ遊びなどが成立するようになってきました。


また、年中児達は、より仲間意識が強くなっているのか、工作コーナーで、誘い合って同じ材料を探しながら揃え、全く同じ物を作っていたり、一緒に大きな一つの物を創り上げようとしたり、その作った物を使って、少し複雑な場面を想定したごっこ遊びを楽しんでいる姿は、はつらつとして、遊び方に勢いと各々の思考が出てきたように映ります。どの子も所在なく園生活を送っている様子は見られません。


さて年長児達にとっては、まもなく卒園を迎えるわけですが、先日取り組んだ卒園遠足は、本当に見事に子ども達の成長を感じるものでした。この取り組みを進めるに当たり、私たちが先ず考えたのは、今年施行された新幼稚園教育要領の特に「幼稚園教育において育みたい資質、能力及び幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を、どう捉え園の教育方針と整合させながら保育実践に結びつけていくことが出来るか、という課題でした。「幼児教育は環境を通して行なわれるものであり、教師との信頼関係を築きながら、幼児が身近な環境に主体的に関わり、環境との関わり方や意味に気づき、これらを取り込もうとして試行錯誤したり考えたりするようになる」という幼児教育の基本を踏まえ、私たちは卒園遠足の位置づけを、子ども達の主体的な活動の集大成として「子ども達が主体となり、先生と共に創り上げ実践するもの」ということにしたのです。今回の一連の体験を通して、誰もがその子なりに感じたり、気付いたり、分かったり、という学びに向かう姿が準備期間の始めから最後まで見られました。


また、自分たちで作る遠足ということに、一人ひとりが主体的に関わるということから、どの子も、その難しさや大変さにも直面したことと思います。けれど、それをひとつひとつ乗り越えることで、いくつもの達成感を味わい、自立への小さな一歩を踏み出してくれたのではないでしょうか。また、友だちと関わりながら、共通の目的を実現させるために、考え合い工夫し、協力する経験も積みました。子ども達が計画を練る中や当日の行動の中で、必要な事として文字や数量、時間を取り込もうとする姿も見られました。そして、公共の場所での振る舞いも、どの子も素晴らしい姿であったと言って良いと思います。疲れて帰る電車の中でも、誰一人勝手な行動をとる姿はありませんでした。往復とも周囲の乗客や駅で出会った人々から、温かいまなざしを感じ、またお褒めの言葉を頂く場面に遭遇した職員も多かったのではないでしょうか。また、ズーラシアの中での姿も、皆とても生き生きとしていました。自分たちの目的や時程を共有しながら仲間達と楽しく過ごす姿が、とても誇らしく輝いて見えました。当日は、他にも17団体がひしめく園内で、オリジナルの地図を持って、意気揚々とずんずんと進み、目的の場所にたどり着くと、じっくり見入る子ども達の様子は端から見ても、幼児とは思えない程のたくましさがありました。愉快なエピソードは各グループの先生からも沢山出てくると思いますが、年長児達にとって最後の遠足が、一人ひとりの自信と誇りを育み、楽しい思い出の一つとなってくれることを願います。


さて、このような1年を締めくくるに当たり、幼稚園の教育活動に、特段にご尽力下さいました若葉会執行部、並びに各委員会の皆様、また各サークル、父親会議の皆様に心よりお礼を申し上げたいと存じます。幼児教育は園のみが行なうものではありません。子ども達をまん中において、園と保護者そしてそれを取り巻く社会が、目の前の子ども達の成長に力を注ぎ、支え、健やかに育つ環境を、より良いものへ昇華させていくべきものだと思います。また、私たち保育者には、子ども達に対して重い責任があると思っています。それは、一人だけが良く育てばよいのではなく、どの子もが皆、健やかに「育ち合う場」としての園の役割があるということです。「心豊かにたくましく」という園の教育目標に向かって様々な保育活動を充実させ、進めてこられましたこと、全ての保護者の皆様のご支援に感謝申し上げます。本当に有り難うございました。 
posted by はやし太郎 at 13:42| Comment(0) | 園だよリ

2019年02月18日

平成30年度2月のおたより

ここに来て、寒さも厳しさを増し、巷ではインフルエンザが猛威を振るっているようです。園では、まだ若干名ではありますが、どうもインフルエンザにかかるタイミングが週末にかけてが多いような気がしています。園の中でも子ども同士の接触でうつる事もあるとは思いますが、やはり人混みや、電車やバス、映画館など密室での接触、空気感染かもしれませんね。ご家族でお出かけなどをされる時には、手洗いやうがいなど充分に気を付けたいものです。さて、2月の大きな行事としては生活展があります。この一年間の園生活を描画や作品を通してご覧頂きますが、幼児にとって、表現活動は、身近な人に伝えたい出来事や心情を受け止めてもらうことで、次への意欲が生まれるのではないかと考えております。当日は、担任と作品を通してお話をする時間もありますので、お子様とゆっくりご覧頂きたいと思います。


ところで、今年は消費税の増税があり、その税収の多くが幼児教育の無償化や社会保障の充実へ向けられることになっています。しかし学園として、まだ確実な情報を掴みかねており、事務的な対応も含め、どのようになるのか、多少の不安を抱えております。また、無償化の条件として、幼児教育の質の向上が求められているとはいえ、現実問題、地域や環境などに大きな差や違いがあるのは否めません。これらがどの様に是正されていくのか、多くの幼稚園、保育園の現場で新しい教育要領、保育指針に対しての正しい理解と保育実践がどの程度、保障されていくのか、など、自園の保育の向上も含め、難しい問題は山積しています。こんなことを考える日々の中、ふと、晴れた青空の下で、活き活きと遊び、闊達に園生活を送る子ども達を眺めていると、この子ども達が担っていくであろう「未来」を想像することの難しさも感じます。私が子育てに明け暮れていた30年前、今のような、スマホの普及や人との関わり方の一つであるSNSの在り方、科学技術の活用としてのAIロボット(人工知能)との付き合い方など、どれも想像できませんでした。けれど、過日の新聞で、2050年には、このAI(人工知能)が人間の知性を超える時代になる、という記事を目にしました。目の前で元気に遊ぶ子ども達は、AI(人工知能)と共生する社会を創造していくことになるのでしょうか。人間の能力は、技術の発展と反比例して衰えていると言われています。スマホの普及は人間の考える能力を奪っているとも言われています。30年後の社会では、人々がAIに支配されるのではなく、AIに新しい仕事を与えられるような発想力を求められているのです。そして、その為にもこれからの子ども達の教育に求められているのは、子どもが、自ら興味を持ち、探究していく力、人やものとの関わりの中で、問題を解決に導くことのできる力なのです。ある意味、人間らしさ、人間力をどれだけ豊かに育む事ができるか、ということになるのでしょうか。2025年には今の仕事の半分が消滅すると言われています。知識をたくさん覚えたり、早く間違わずに計算したりということは機械、AIに任せる時代です。仕事の成り立ちを0から10までと仮定すると、これからの時代に仕事の中で求められている人間力は,0から1まで、つまり何もない所からアイディアを生み出す発想力と、9から10まで、これは、完結させ、まとめあげ、形にする力であると言われています。

記事はパスカル(哲学者)の言葉で締めくくられていました。『人間は葦に過ぎない、だが、考える葦である』これは人間は弱いものであるが、考えることができる為に尊厳がある、ということ。そして、『すべての人間は幸福を求める。これこそが、あらゆる行動の動機である。』今月は日本経済新聞の特集からの引用が大きく占めましたが、この記事を理事長と語り合い、これからの幼児教育の方向性に共感できるものでしたので保護者の皆さまにお伝えさせて頂きました。あしからずご了解ください。


子ども達の未来が豊かで温かい人間性に満ちたものになることを,心から願い、そんな社会を創造できる力を、子どもたち一人ひとりの人間性の中に育めるように、成長を見守っていきたいと考えます。


年長児たちが最後に取り組む卒園遠足も、少しずつ準備が進んでいます。まずは、一人ひとりが自分の考えを持つこと、それを伝え合い、次に相手の気持ちや考えを理解しようとすることを通して、自分達で創り上げていく経験ができるように進めていこうと考えております。また、公共の場所でどのように振る舞うことが大切か、ということも皆で共有していきたいと考えております。
posted by はやし太郎 at 09:50| Comment(0) | 園だよリ

2019年01月28日

ピザ作り隊!

こんにちは。
はやし幼稚園です。

少し前のことになりますが、年長児をメインにピザづくりをしました。
1月になると、年長の子どもたちには、提供された遊びや体験を受動的にやるのではなく、
外部環境に対して、自らが主体的に働きかけて、考え、遊ぶという経験を
日々行っており、このピザづくりもその一つです。

その一部始終をお伝えします。

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1月のある日、ウッドデッキにはこんな看板が。
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【ピザ作り隊】募集中と書いてあります。
これは先生が子どもたちに対してピザを作ろうと誘うための看板で、
興味がある子は指定の時間にホールに集まりました。

最初に集まった際の作戦会議です。
ピザを作ろうにも、まずはピザは何で出来ているのか、どんな味にするかなどを
話して決めていきます。ピザを作る以外はみんなで話し合って決めていきます。
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話していると、ホールの外から興味がある子が覗いています。
ピザ作り隊の締め切りはありませんので、入りたければすぐに入ることが出来ます。
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少しずつ集まってきました。
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作り隊に入るには、名簿に自分の名前をはんこで押すことが必要です。
一文字ずつ、自分の名前のはんこを選んで、丁寧に押しています。
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最終的にはこれだけ多く集まりました。
人数が増えると、様々な意見が挙がり、会議も熱を帯びてきました。
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「何味のピザにする?」「何が必要なのかな?」と、話が盛り上がります。
たくさんの想いや意見は、先生がまとめます。
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後日、相鉄ローゼンへ行き、お買い物をするということになりました。
待ち遠しく、楽しみにして、この日はさようならをしました。



そして、買い物当日。
今年の年長のみんなは、年中組の頃にも相鉄ローゼンへ行き、買い物をした経験があるため、
不安な顔はなく、むしろ自分で買い物をして、ピザを焼くということがとても楽しみでいるように見えます。
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いざ、出発です!園外に出ると、普段は思いっきり遊びまわる子どもたちも、
先生が細かくいうことなく、自然と交通ルールに従って、歩いていきます。
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さて、ローゼンに着くと早速問題が。なんと事前に買おうとしていたトマトですが、
大きいトマトや小さいトマト、更には値段もバラバラなのです。
どうしよう?と考えます。
結局、値段も比較的安く、数が多い小さいトマトを買うことになりました。
話し合いだけではわからないことが、このように自ら経験することでわかることもあるんですね。
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他にも調味料や、お肉を買いました。
サラミを食べたかったのですが、値段が高く、今回は断念。
ソーセージに変更になりました。
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最終的にこれだけたくさんの具材を買うことが出来ました。
今日はこれでおしまいです。
次回はいよいよピザ作りです。
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さて、ピザ作り当日です。
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小麦粉のグラム数を測っています。
200グラムぴったりになるよう、そのまなざしは真剣そのもの。
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あとはこねて生地を作っていきます。
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生地の上に、思い思いの具材を乗せて、あとは焼くだけです。
早く食べたい!!
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ピザは以前にもブログでお話ししたこの手作りピザ釜で焼きます。
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とてもおいしそう!
ちなみにこの写真ではわかりませんが、このピザ釜の前で何人もの子どもたちの
「おいしそう!」という歓声が上がっていました!
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「いただきます!」
とてもおいしそうに頬張る子どもたちです。
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ただピザを作って食べるという経験の中にも、子どもたちにとっては、たくさんの学びがあります。
その学びを最大限にするために、保育者はすぐに答えを示すのではなく、一緒に悩み、考えます。
同時に、今後のあらゆる想定をして、子どもたちが主体性を持って活動するにはどうすべきかを考えています。

一見すると、遠回りにみえるピザ作りですが、私たちの大切にしている学びがそこにあると信じて、
これからもがんばってまいります。
posted by はやし太郎 at 16:56| Comment(0) | 園生活