2018年11月20日

平成30年度11月のおたより

今年のハイキング遠足は、どの学年もお天気に恵まれましたが、私は年少児達と出掛けました。上り坂の途中では「つかれたー」と、弱音を吐く声も聞こえましたが、「もうすぐお弁当だね!」「○○くん、がんばれー」などと、子ども達同士で励ましながら、どの子も、最後まで歩き切りました。汗ばんだ額に、秋風が当たると本当に心地よく、また嬉しそうにお弁当を頬張る子ども達に、陽の光が暖かく降り注ぎ、楽しい秋の一日となりました。年少児は、運動会という大きな行事を経験してから、どの子も発する言葉や行動に自信が見えるようになりました。クラスや学年で行動を共にする中で、共感する楽しさや、他者との気持ちのすれ違いも経験し、自分の気持ちに折り合いをつけながら、少しずつ集団生活の関わり方を練習している子ども達です。そんな中、友だちのことを気にかけたり、助けたりと、自分中心の幼稚園生活だったのが、一人ひとりの視野が広がり、周りが見えてきて、仲間や先生と響き合いながら創る園生活へと意識が転換しつつあるようです。それでも園としては、まだまだ個々の興味関心の芽は大事にしていきたいと考えております。


さて、年中児にとっての、運動会の経験は、集団の中の一員としての意識も自覚できる一方で、その中で、表われてくる一人ひとりの個性もより明確になってきたのではないでしょうか。一緒に遊ぶこと、行動を共にすることが楽しければ楽しいほど、自分のやりたいことや意思が、よりはっきりしてきて、仲間との関係の中で、心の葛藤も大きくなるのです。これからの園生活の中では、この葛藤を乗り越えて、自分の言葉で、自分の思いや考えを伝え合う場面が多くなることでしょう。仲間と共感したり、調和を感じたりする経験を楽しめるような園生活が大切になってくると考えております。今まで個々でやっていた工作や積み木、砂場遊びなどが、繋がり合い、影響し合う遊びへと変質していくことと思います。年長児達は、1 学期から今まで、経験した行事や、日々の活動を通して、意欲的な姿が多く見られてきました。それぞれが、自分なりにやり遂げた達成感を感じる事が出来たのではないでしょうか。それだけではなく、年長児達の日常を見ていると、まだもっと先へと個々の興味や関心が伸びていく可能性を感じます。そして、ここに来て、年長児達は、仲間と関わり合う楽しさを実感するようになり、その中で伸び伸びと自分を表現できるようにもなってきました。その自信が他者を受け入れる力となり、皆で考え合う力を伸ばしているのではないかと思います。


さて、年長児達にとっては、小学校以降の教育へとつなぐ大切な時期へと差し掛かってきましたが、この日本でも、世界的な教育改革の流れに追随し、OECD(経済協力開発機構)によって提言された「次世代に必要な能力(キーコンピテシー)」を基に、幼児教育以降の教育要領の改訂がなされています。ここで重要視されているのは、「非認知能力の育成」だと言われているのですが、これは、世界中すべての子ども達に必要とされる能力であり、その為に幼児教育から「主体的で、対話的な、深い学び」というキーワードを軸に教育改革が提言されているのです。20 世紀型の教育では、認知能力(知識や記憶力)が高いことが求められてきました。けれど実は相互関係にある非認知能力が高い方が、大人になって社会に出たときに社会的、また経済的にも成功する人が多いということが、データ上で分かってきたのです。この非認知能力とは自己肯定感をベースに育つもので、「もっと頑張りたいと思える向上心、自分の気持ちをコントロールする力、上手くいかないことにであっても、何とかしようとする前向きな自信や楽観性。周りを見ることのできる社会性、人とコミュニケーションをとる力」といわれています。学校は子ども達の興味関心を原動力にして教科学習を指導する場所であり、園はその「興味関心を持つようになる」為の援助をするのが本文であると言われていますが、この非認知能力は脳が柔軟な乳幼児期の方が伸びるとも言われていますので、幼児期をどのような質、環境の教育で過ごすかが、世界的に問われている時代であることは間違いないでしょう。


今月は少しややこしい話になりましたが、つい先日勉強会で学んできた話題でした。参考までに本をご紹介いたします。汐見稔幸著『さあ、子ども達の「未来」を話しませんか』小学館 とても読みやすいので、ご興味がある方はどうぞ!
posted by はやし太郎 at 14:12| Comment(0) | 園だよリ
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