2019年02月18日

平成30年度2月のおたより

ここに来て、寒さも厳しさを増し、巷ではインフルエンザが猛威を振るっているようです。園では、まだ若干名ではありますが、どうもインフルエンザにかかるタイミングが週末にかけてが多いような気がしています。園の中でも子ども同士の接触でうつる事もあるとは思いますが、やはり人混みや、電車やバス、映画館など密室での接触、空気感染かもしれませんね。ご家族でお出かけなどをされる時には、手洗いやうがいなど充分に気を付けたいものです。さて、2月の大きな行事としては生活展があります。この一年間の園生活を描画や作品を通してご覧頂きますが、幼児にとって、表現活動は、身近な人に伝えたい出来事や心情を受け止めてもらうことで、次への意欲が生まれるのではないかと考えております。当日は、担任と作品を通してお話をする時間もありますので、お子様とゆっくりご覧頂きたいと思います。


ところで、今年は消費税の増税があり、その税収の多くが幼児教育の無償化や社会保障の充実へ向けられることになっています。しかし学園として、まだ確実な情報を掴みかねており、事務的な対応も含め、どのようになるのか、多少の不安を抱えております。また、無償化の条件として、幼児教育の質の向上が求められているとはいえ、現実問題、地域や環境などに大きな差や違いがあるのは否めません。これらがどの様に是正されていくのか、多くの幼稚園、保育園の現場で新しい教育要領、保育指針に対しての正しい理解と保育実践がどの程度、保障されていくのか、など、自園の保育の向上も含め、難しい問題は山積しています。こんなことを考える日々の中、ふと、晴れた青空の下で、活き活きと遊び、闊達に園生活を送る子ども達を眺めていると、この子ども達が担っていくであろう「未来」を想像することの難しさも感じます。私が子育てに明け暮れていた30年前、今のような、スマホの普及や人との関わり方の一つであるSNSの在り方、科学技術の活用としてのAIロボット(人工知能)との付き合い方など、どれも想像できませんでした。けれど、過日の新聞で、2050年には、このAI(人工知能)が人間の知性を超える時代になる、という記事を目にしました。目の前で元気に遊ぶ子ども達は、AI(人工知能)と共生する社会を創造していくことになるのでしょうか。人間の能力は、技術の発展と反比例して衰えていると言われています。スマホの普及は人間の考える能力を奪っているとも言われています。30年後の社会では、人々がAIに支配されるのではなく、AIに新しい仕事を与えられるような発想力を求められているのです。そして、その為にもこれからの子ども達の教育に求められているのは、子どもが、自ら興味を持ち、探究していく力、人やものとの関わりの中で、問題を解決に導くことのできる力なのです。ある意味、人間らしさ、人間力をどれだけ豊かに育む事ができるか、ということになるのでしょうか。2025年には今の仕事の半分が消滅すると言われています。知識をたくさん覚えたり、早く間違わずに計算したりということは機械、AIに任せる時代です。仕事の成り立ちを0から10までと仮定すると、これからの時代に仕事の中で求められている人間力は,0から1まで、つまり何もない所からアイディアを生み出す発想力と、9から10まで、これは、完結させ、まとめあげ、形にする力であると言われています。

記事はパスカル(哲学者)の言葉で締めくくられていました。『人間は葦に過ぎない、だが、考える葦である』これは人間は弱いものであるが、考えることができる為に尊厳がある、ということ。そして、『すべての人間は幸福を求める。これこそが、あらゆる行動の動機である。』今月は日本経済新聞の特集からの引用が大きく占めましたが、この記事を理事長と語り合い、これからの幼児教育の方向性に共感できるものでしたので保護者の皆さまにお伝えさせて頂きました。あしからずご了解ください。


子ども達の未来が豊かで温かい人間性に満ちたものになることを,心から願い、そんな社会を創造できる力を、子どもたち一人ひとりの人間性の中に育めるように、成長を見守っていきたいと考えます。


年長児たちが最後に取り組む卒園遠足も、少しずつ準備が進んでいます。まずは、一人ひとりが自分の考えを持つこと、それを伝え合い、次に相手の気持ちや考えを理解しようとすることを通して、自分達で創り上げていく経験ができるように進めていこうと考えております。また、公共の場所でどのように振る舞うことが大切か、ということも皆で共有していきたいと考えております。
posted by はやし太郎 at 09:50| Comment(0) | 園だよリ

2019年01月18日

平成30年度 1月のおたより

平成31年を迎え、皆様にはお健やかに新春をお迎えの事と存じます。


さて、平成という年号も今年の春までということで、昨年末には、平成最後の○〇という見出しが、色々な所で目立ちました。「年号」という日本古来の伝統は海外にお住まいの方にとっては、馴染みのないことではありますが、例えば「明治」「大正」「昭和」という年号を聞いただけで、日本人なら、何となくその時代をイメージする事ができるのではないでしょうか。そして、天皇陛下がお話されたように、長い日本の歴史の中で、この「平成」が「戦争のない時代」であったことが、後々どのようにイメージされていくのでしょうか、これから迎える新しい年号の時代に続いても営々と、私達は、戦争の惨禍に子ども達が見舞われることの無いようにしていかなければなりません。これは、世界中の人類が、全ての英知を駆使して取り組まなければならない命題ともいえるでしょう。ところが、これほど困難な道程はないのです。私達の日常の中で起きる些細な揉め事でさえ、解決できずに、難しさに直面する事の方が多いのではないでしょうか。たいていの場合、違いを一方的に押し付けたり押し付けられたり、又は自分の思いを差し置いて、受け入れるだけになり、結果的に自分の気持ちに折り合いがつかないまま終わってしまうのです。


今、日本の教育の流れの中で、「問題解決能力」を育てる、ということが求められています。子ども達にとって、幼稚園の中で起きる出来事や活動の多くには、自分達で考え合うことが求められています。もちろんその中に大人の知恵やアイディアを提供する事もありますし、子ども同士がお互いの伝えたい事を伝える時の仲裁役として関わる先生の存在がありますが、幼稚園で大切にしたいのは、まずは一人ひとりが「自分で考えてみる」ということです。そして、子ども達には「自分の考えを持つ」ということが、とても大切で尊重されるべきことだということを知って欲しいのです。但し、そこだけに固執するだけでは、視野も狭まり、より新しい知性や感性に出会うチャンスを逃してしまいます。より良い方向に向かうために、また、より質の高い価値観を育むために、どうすれば良いのでしょうか。子ども達には、他者の考えや思いを知って、感じる経験や自分の考えとの違いや又は他者の考えに共感できるところを「諦めずに探ろうとする経験」を沢山してほしいと考えています。それを繰り返すことでより自分の考えや思いを明確にすると同時に、折り合いの付け方や、意見をまとめる力を身に付けていくことができるのです。更に、色々なことに関心を持つ中で、新しい事や仲間に出会う度に、「自分らしく考える事」を楽しめる園生活が送れるように、残された3学期の生活を充実させていきたいと考えております。特に2月に行われる生活展は「表現」の活動の集大成ともいえるので、「自分の思いを自覚する事に導かれ、表現へと育っていく過程」をご覧頂きたいと思います。


また、新学期早々には、お餅つきやお正月遊びなどに親しみ、日本の伝統文化に触れる貴重な体験に取り組んでいきたいと考えておりますし、羽根つき、コマ回し、カルタやすごろくなど、ルールを通して、文字や数と出会い、使うことで、興味や関心を学びに繋げていく活動を大切にしていきたいと考えております。特に年長児は、標識や文字などにあまり興味のなかった子ども達にも、少しずつ自己表現の手段の一つとして、認識できるようにし、必要感を伴う中で、11人が焦らずに取り組んでいけるようにと考えております。3学期は、各学年にとって、また年長児にとっては、園生活のまとめといえる大切な園生活が待っています。全教職員が気を引き締めて、一つ一つ丁寧に取り組んでいきたいと考えております。また、様々な活動にご協力をお願いする事もあるかと存じますが、園としましても、保護者の皆様とお子様の成長を共に見守り育てる為に、手を携え合えるように力を尽くしていきたいと存じます。本年も何卒宜しくお願い申し上げます。
posted by はやし太郎 at 08:08| Comment(0) | 園だよリ

2018年12月06日

平成30年度 12月のおたより

12月を迎えようとするこの時期でも、あまり寒くはなく、子ども達にとっては、過ごしやすい毎日が続いております。外で、ドッチボールやサッカーに興じる年長児達は、額の汗をぬぐいながら園庭を走り回っています。そんな時の仲間とのやりとりは、皆、自信満々で、時には仲間に強く言い過ぎて、揉めたりもするのですが、大抵のことは自分たちで話し合い、収まっているようです。もちろん先生がその場に入らなければならないほど白熱することもあるでしょうが、今の年長さん達にとっては、自分の考えを熱く語ることも大切な経験だと思います。年中児達も簡単なルールのある追いかけっこや、自分たちの遊びのイメージを、仲間と共有しながら、いろいろなごっこ遊びを楽しんでいるようです。また、1学期の砂場や泥んこから続いて、いつの間にか泥団子作りへと興味を示し始め、夢中になって黙々と取り組む姿も見られるようになりました。年少児も自分たちの遊ぶ場所を、いろいろと探索しています。年少の5クラス(満3歳児も含む)が園舎の一番端と端に分かれているにも拘わらず、とても意欲的にいろいろな場所へ出向いて遊んでいる様子が見られます。先生達が、意識的に子ども達の興味を広げながら、年少児達の遊びや生活が、もっと伸び伸びと過ごせるように、お兄さんお姉さん達にも関わってもらい、自分のクラスに縛られずに、行き来出来る環境や場面を用意しているからだと思います。年少の時に幼稚園の隅から隅までを、自分たちのテリトリーに出来るからこそ、私たちの園生活の核とも言える主体的な「遊び」が充実していくのではないでしょうか。子どもの内面に自由感が育っているような気がします。


その一方で、自律感の芽生えも確実に育っています。先日、若葉会のお楽しみ会でお招きした『ロバの音楽座』の皆さんが、子ども達の姿をとても褒めて下さいました。「号令や合図で口を閉じるようにさせられていないのに、静かに聞き入る場面では、本当にしーんとして、物音一つさせないで聞く姿がすごい、楽しい場面では、音楽を心から楽しむことが出来る自然な姿が良いですね」とのことでしたが、私もその場で、子ども達の集中力に驚かされ、また生き生きとしたメリハリを感じました。ロバの音楽座の皆さんが、いつも楽しくて、質の高い音楽を披露して下さるからこそだとも思いましたが、子ども達の成長を垣間見た思いでした。また、若葉会の皆様に、6月のバザーでご協力頂いたことが、子ども達の素敵な経験に繋がり、この活動を支えて下さったことに感謝いたします。有り難うございました。


 さて今月は、表現の活動のひとつ、「はばたきの会」があります。どの行事も学年での取り組み方が違いますが、それは、年齢なりの成長過程を踏まえ、今どんな経験が次に繋がっていくのか、成長を助けるのか等を考えての指導計画となっているからです。また詳細は、お楽しみにして頂ければと思います。それから、子ども達にとって、大きな楽しみの一つであるクリスマス会もございます。毎年お伝えしていますが、子どもにとって、「目に見えないものを信じる」という経験は、空想や想像の世界を広げるだけでなく、自分の心の内を見る、内省的な経験にも繋がります。どの子もが、いつも自分は良い子でありたい、と願っています。そして、その願いがかなうことに、意味があるのではないでしょうか。高価なプレゼントが手に入る日になるよりも、大好きな大人達から、そして、目には見ることのできない誰かから「貴方はこの1年間よい子だったね。」と伝えてもらえることの方が、その子の成長を助けると思います。「クリスマス」とは、家族の繋がりを実感し、その中で育つ「よい子」を安心させ、認めてあげることに意味があるような気がします。


クリスマス会では、ファンタジックで神聖なひと時を作りたいと考えています。また、後半は、子ども達だけで想像の世界を膨らませ、楽しみたいと思います。ご協力をお願い致します。

いよいよ年の瀬も近づき、年末年始のお休みとなりますが、故郷へ帰られたり、ご親戚で集まられたり、お家でゆっくり過ごされたりということもあるかと思います。子どもにとっては、この季節は、「家族」を身近に感じることの出来る大切な冬休みです。故郷やお住まいの地域の伝統行事や伝承行事に触れる機会が有るかもしれません。ぜひ、お子様と一緒に参加してみてはいかがでしょうか。そして、それぞれのお家らしい、良いお正月を、ご家族皆様でお迎え下さい。
posted by はやし太郎 at 07:42| Comment(0) | 園だよリ