2018年12月06日

平成30年度 12月のおたより

12月を迎えようとするこの時期でも、あまり寒くはなく、子ども達にとっては、過ごしやすい毎日が続いております。外で、ドッチボールやサッカーに興じる年長児達は、額の汗をぬぐいながら園庭を走り回っています。そんな時の仲間とのやりとりは、皆、自信満々で、時には仲間に強く言い過ぎて、揉めたりもするのですが、大抵のことは自分たちで話し合い、収まっているようです。もちろん先生がその場に入らなければならないほど白熱することもあるでしょうが、今の年長さん達にとっては、自分の考えを熱く語ることも大切な経験だと思います。年中児達も簡単なルールのある追いかけっこや、自分たちの遊びのイメージを、仲間と共有しながら、いろいろなごっこ遊びを楽しんでいるようです。また、1学期の砂場や泥んこから続いて、いつの間にか泥団子作りへと興味を示し始め、夢中になって黙々と取り組む姿も見られるようになりました。年少児も自分たちの遊ぶ場所を、いろいろと探索しています。年少の5クラス(満3歳児も含む)が園舎の一番端と端に分かれているにも拘わらず、とても意欲的にいろいろな場所へ出向いて遊んでいる様子が見られます。先生達が、意識的に子ども達の興味を広げながら、年少児達の遊びや生活が、もっと伸び伸びと過ごせるように、お兄さんお姉さん達にも関わってもらい、自分のクラスに縛られずに、行き来出来る環境や場面を用意しているからだと思います。年少の時に幼稚園の隅から隅までを、自分たちのテリトリーに出来るからこそ、私たちの園生活の核とも言える主体的な「遊び」が充実していくのではないでしょうか。子どもの内面に自由感が育っているような気がします。


その一方で、自律感の芽生えも確実に育っています。先日、若葉会のお楽しみ会でお招きした『ロバの音楽座』の皆さんが、子ども達の姿をとても褒めて下さいました。「号令や合図で口を閉じるようにさせられていないのに、静かに聞き入る場面では、本当にしーんとして、物音一つさせないで聞く姿がすごい、楽しい場面では、音楽を心から楽しむことが出来る自然な姿が良いですね」とのことでしたが、私もその場で、子ども達の集中力に驚かされ、また生き生きとしたメリハリを感じました。ロバの音楽座の皆さんが、いつも楽しくて、質の高い音楽を披露して下さるからこそだとも思いましたが、子ども達の成長を垣間見た思いでした。また、若葉会の皆様に、6月のバザーでご協力頂いたことが、子ども達の素敵な経験に繋がり、この活動を支えて下さったことに感謝いたします。有り難うございました。


 さて今月は、表現の活動のひとつ、「はばたきの会」があります。どの行事も学年での取り組み方が違いますが、それは、年齢なりの成長過程を踏まえ、今どんな経験が次に繋がっていくのか、成長を助けるのか等を考えての指導計画となっているからです。また詳細は、お楽しみにして頂ければと思います。それから、子ども達にとって、大きな楽しみの一つであるクリスマス会もございます。毎年お伝えしていますが、子どもにとって、「目に見えないものを信じる」という経験は、空想や想像の世界を広げるだけでなく、自分の心の内を見る、内省的な経験にも繋がります。どの子もが、いつも自分は良い子でありたい、と願っています。そして、その願いがかなうことに、意味があるのではないでしょうか。高価なプレゼントが手に入る日になるよりも、大好きな大人達から、そして、目には見ることのできない誰かから「貴方はこの1年間よい子だったね。」と伝えてもらえることの方が、その子の成長を助けると思います。「クリスマス」とは、家族の繋がりを実感し、その中で育つ「よい子」を安心させ、認めてあげることに意味があるような気がします。


クリスマス会では、ファンタジックで神聖なひと時を作りたいと考えています。また、後半は、子ども達だけで想像の世界を膨らませ、楽しみたいと思います。ご協力をお願い致します。

いよいよ年の瀬も近づき、年末年始のお休みとなりますが、故郷へ帰られたり、ご親戚で集まられたり、お家でゆっくり過ごされたりということもあるかと思います。子どもにとっては、この季節は、「家族」を身近に感じることの出来る大切な冬休みです。故郷やお住まいの地域の伝統行事や伝承行事に触れる機会が有るかもしれません。ぜひ、お子様と一緒に参加してみてはいかがでしょうか。そして、それぞれのお家らしい、良いお正月を、ご家族皆様でお迎え下さい。
posted by はやし太郎 at 07:42| Comment(0) | 園だよリ

2018年11月20日

平成30年度11月のおたより

今年のハイキング遠足は、どの学年もお天気に恵まれましたが、私は年少児達と出掛けました。上り坂の途中では「つかれたー」と、弱音を吐く声も聞こえましたが、「もうすぐお弁当だね!」「○○くん、がんばれー」などと、子ども達同士で励ましながら、どの子も、最後まで歩き切りました。汗ばんだ額に、秋風が当たると本当に心地よく、また嬉しそうにお弁当を頬張る子ども達に、陽の光が暖かく降り注ぎ、楽しい秋の一日となりました。年少児は、運動会という大きな行事を経験してから、どの子も発する言葉や行動に自信が見えるようになりました。クラスや学年で行動を共にする中で、共感する楽しさや、他者との気持ちのすれ違いも経験し、自分の気持ちに折り合いをつけながら、少しずつ集団生活の関わり方を練習している子ども達です。そんな中、友だちのことを気にかけたり、助けたりと、自分中心の幼稚園生活だったのが、一人ひとりの視野が広がり、周りが見えてきて、仲間や先生と響き合いながら創る園生活へと意識が転換しつつあるようです。それでも園としては、まだまだ個々の興味関心の芽は大事にしていきたいと考えております。


さて、年中児にとっての、運動会の経験は、集団の中の一員としての意識も自覚できる一方で、その中で、表われてくる一人ひとりの個性もより明確になってきたのではないでしょうか。一緒に遊ぶこと、行動を共にすることが楽しければ楽しいほど、自分のやりたいことや意思が、よりはっきりしてきて、仲間との関係の中で、心の葛藤も大きくなるのです。これからの園生活の中では、この葛藤を乗り越えて、自分の言葉で、自分の思いや考えを伝え合う場面が多くなることでしょう。仲間と共感したり、調和を感じたりする経験を楽しめるような園生活が大切になってくると考えております。今まで個々でやっていた工作や積み木、砂場遊びなどが、繋がり合い、影響し合う遊びへと変質していくことと思います。年長児達は、1 学期から今まで、経験した行事や、日々の活動を通して、意欲的な姿が多く見られてきました。それぞれが、自分なりにやり遂げた達成感を感じる事が出来たのではないでしょうか。それだけではなく、年長児達の日常を見ていると、まだもっと先へと個々の興味や関心が伸びていく可能性を感じます。そして、ここに来て、年長児達は、仲間と関わり合う楽しさを実感するようになり、その中で伸び伸びと自分を表現できるようにもなってきました。その自信が他者を受け入れる力となり、皆で考え合う力を伸ばしているのではないかと思います。


さて、年長児達にとっては、小学校以降の教育へとつなぐ大切な時期へと差し掛かってきましたが、この日本でも、世界的な教育改革の流れに追随し、OECD(経済協力開発機構)によって提言された「次世代に必要な能力(キーコンピテシー)」を基に、幼児教育以降の教育要領の改訂がなされています。ここで重要視されているのは、「非認知能力の育成」だと言われているのですが、これは、世界中すべての子ども達に必要とされる能力であり、その為に幼児教育から「主体的で、対話的な、深い学び」というキーワードを軸に教育改革が提言されているのです。20 世紀型の教育では、認知能力(知識や記憶力)が高いことが求められてきました。けれど実は相互関係にある非認知能力が高い方が、大人になって社会に出たときに社会的、また経済的にも成功する人が多いということが、データ上で分かってきたのです。この非認知能力とは自己肯定感をベースに育つもので、「もっと頑張りたいと思える向上心、自分の気持ちをコントロールする力、上手くいかないことにであっても、何とかしようとする前向きな自信や楽観性。周りを見ることのできる社会性、人とコミュニケーションをとる力」といわれています。学校は子ども達の興味関心を原動力にして教科学習を指導する場所であり、園はその「興味関心を持つようになる」為の援助をするのが本文であると言われていますが、この非認知能力は脳が柔軟な乳幼児期の方が伸びるとも言われていますので、幼児期をどのような質、環境の教育で過ごすかが、世界的に問われている時代であることは間違いないでしょう。


今月は少しややこしい話になりましたが、つい先日勉強会で学んできた話題でした。参考までに本をご紹介いたします。汐見稔幸著『さあ、子ども達の「未来」を話しませんか』小学館 とても読みやすいので、ご興味がある方はどうぞ!
posted by はやし太郎 at 14:12| Comment(0) | 園だよリ

2018年10月04日

平成30年度10月のお便り

9月は連休が2週続きであったためか、子ども達の様子もなんとなく、のんびりとした雰囲気で過ごしているように見受けられます。そんな中21日には、年少、年中児達が朝からお月見団子を作ってくれて、年長児達にもご馳走をしてくれました。そうはいっても、もうすぐ運動会なので、幼稚園生活の中で、その気配を感じるのか、「何か大きな事がありそうだ。どうも幼稚園のみんなで何かをするようだ。」と、やっと気づき始めている子どももいれば、年長児などでは、9月早々から張り切って、頑張りたいと思っている子どももいるなど、「運動会」という行事一つとっても、子ども達一人ひとりの受け止め方は、様々です。また、とかく運動会では、大きな集団で、かたまりで動く行動が求められます。一人ひとりのその日の調子や気持ちの向き方で違いはあるものの、個の姿が際立ち、ご覧になる保護者にとっては、気になる事があるかもしれません。けれど、当日はどうぞ我が子の、ありのままの姿を通して、どんな風にひとつひとつの競技に向かい、この日を過ごしているのか、皆と一緒に楽しんでいるかな?恥ずかしいのかな?興味を持っている?そして何より、これまでの日々の生活を、どの様に過ごしてきたのか、を想像しながら、お子様の心の動きを見つめて、当日の姿を受け止めて頂けると良いのではないでしょうか。先日の学園講演会で柴田愛子先生もお話しされていたように、出来ても出来なくても、ありのままを認めてもらうことで、幼児期の子どもは、いつでも前を向くことが出来るのです。出来ないことばかりに目を向けず、前を向いて進もうとする力、自己肯定感が今だからこそ育つと良いですね。


園では、繰り返し楽しみながら、様々な身体の動きや発達に繋がるようなサーキットを用意したり、いつでも誰でもが取り組めるようにと、先生が付いて運動用具を出しておいたり、簡単なルールのあるゲームなどで勝敗を楽しむなど日々の生活の中で、子ども達自らが、身体を動かすことに楽しさを感じているようです。そして、もっとやりたい、上手になりたいといった意欲が持てるように工夫をしながら活動を進めていますが、その一方で、運動会一辺倒にならないように、じっくり遊び込める環境、しっかり考えることが楽しさに繋がる遊びを用意し、園生活に緩急をつけ、様々な子どもの個性と心の動きに、寄り添うことも忘れてはいけないと考えております。むしろ、この時期だからこそ、子どもの外に向かうエネルギーと内に積み上がるエネルギーのバランスが大切ではないでしょうか。外から力が加わり、やらされる運動会ではありません。一人ひとりの主体性が芽吹く瞬間を大切に、その子なりの成長が見られることを、保護者の皆様と共に喜び、子ども達にとって楽しい運動会にしたいと存じます。皆様の暖かい声援と拍手で、子ども達を包んであげたいと思いますので、ご協力の程を、宜しくお願い申し上げます。


 さて10月は秋の自然の中をしっかり歩き、楽しむ「ハイキング」や年長さんの育てた「さつま芋の収穫」、その上、今年は特別に、交流のある東京農大の農場見学(年長児)や厚木市農協さんからのお申し出で、生産農家の方と一緒に、ビオラの苗の植え付けなど、沢山のお楽しみが目白押しです。運動会と同じようにどの活動も、子ども達と考え合い、より意欲的に取り組むことが出来るようにしていきたいと考えております。そして2学期は、このように多様な体験が子どもの内面の成長を一層促してくれることでしょう。様々な「人・物・事」と出会い、自ら関わることで自分の内面との調和を図りながら、意欲的に生活する喜びや様々な人と関わることから得る社会性や仲間と対話しながら調整していく共同性など、幼稚園、認定こども園教育要領で求められている姿をより具体的な形にしていくためにも、保育の中に積極的に取り入れ、環境を整えていきたいと考えております。
posted by はやし太郎 at 11:39| Comment(0) | 園だよリ