2019年06月26日

平成31年度4月のおたより

さわやかに晴れ渡った青空と、一斉に咲き誇る花々の賑やかさに、心躍る春。

いよいよ、平成31年度の新学期のスタートです。お子様のご入園、ご進級、心よりお喜び申し上げます。誠におめでとうございます。そして、今年度は51日を以て、令和元年度への移行がございます。「人々が美しく心を寄せあう中で文化が生まれ育つ」という意味が込められているとのことですが、これから育ちゆく子ども達にとっても、記念すべき年号になったようにも感じます。


さて、私ども教職員は、新年度の準備に向け、お迎えする新入園児、進級する在園児達との心新たな出会いを楽しみに、準備を進めて参りました。幼児教育は環境の教育といわれておりますが、子ども達が出会う「環境」として、幼稚園に一歩足を踏み入れたときに、まずは、安心して過ごすことができる場となるようにしなければなりません。また、そこに携わる教職員一人ひとりが、常に穏やかで、丁寧な受け入れを心掛け、お子様一人ひとりとの信頼関係を一日でも早く築けるように、力を尽くして参りたいと思います。特に1学期は、新しい環境の中で戸惑ったり、不安を感じたりするお子様もいるかもしれませんので、少しずつ、幼稚園が楽しい、先生やお友達と遊びたいと思えるような楽しげで、安心できる環境を作っていきたいと思います。その中で、どの子も自分らしくありのままを伸び伸びと出すことが出来るような配慮をしていきたいとも考えております。その為にも、ご家庭との連携が何より大切だと思いますので、どんな些細なことでも、お子様のことで、ご心配事があるようでしたら、担任までお声かけをお願い申し上げます。


また新しい幼稚園生活が始まると、それまで、それぞれのペースで過ごしてきた家庭生活から、幼稚園生活を基本にした、規則正しい生活へ整えていただくことになりますが、その過程で、戸惑いや難しさが生じることもあるでしょう。そんな時は、大人が焦らず、急かさずに、少しずつならして頂けると良いかと思います。そしてなんといっても、「新しい出会い」には期待と不安が表裏一体です。これからの1年間、保護者の皆様におきましては、どうぞこのはやし幼稚園にお子様を託すというお気持ちで、更にお子様にとっての健やかな成長を図るために、共に育て合う仲間として、この幼稚園の存在を捉えて頂けると幸いです。


さて、これから、社会情勢がどう変わろうとも、人間社会にとってコミュニケーションを円滑にこなすことは、とても重要なスキルであると言われています。けれど、その能力をいつ、どのように、育てていけば良いのでしょうか。膨大なネット情報が氾濫するこの世の中では、非常に難しいことになっている、と言われるのも否めません。けれど、幼児教育に長く携わる者として言えるのは、そこに幼児期までの教育が大きな力を寄与するのではないかということです。だからこそ、私たちは子ども達を「子ども主体の遊び」を通した教育の中で、子どものエネルギーの源である「好奇心」を十分に発揮させ、子ども自らが触れられる、確かめられる、対話し合う、育ち合うことのできる幼児教育を目指しているのです。それが幼児教育本来の姿であると確信しておりますし、その子なりに、人と関わる為の方法や集団生活の中での存在の仕方があることを、学び合っていくことができると思うのです。まさにみんな違うこと、違いを認め合うこと、そしてわかり合えたときの喜びを知ることが、コミュニケーションへの道筋だと思います。子ども達の主体的で自然な関わりの中で、共感したり葛藤したりを沢山経験し、それを力にしながら、一人ひとりの個性が仲間の中で、輝きを増す事のできる、そんな園でありたいと考えております。これからのお子様の成長を楽しみにして頂ける様に、教職員一同力を合わせて行きたいと存じます。


 最後に保護者の皆様には今年度も若葉会の活動を始めとして、園の保育、行事への積極的なご参加、ご協力をお願いしたいと存じます。入園の説明会でもお話ししましたように、子育てのほんの一時期を子どもと真に向き合い、心を通わせる事ができるのは幼児期までが最良です。それは今、目の前の我が子のありのままを受け止めるだけで良いからなのです。そして、この一番身近なお家の方に丸ごと受け止めてもらうという関係を築くことで、これから様々に変化していく家族の中で、しっかりと根を張るための最良の土台ができるのです。子どもが幼い時期は、親として、大人のペースで我が子をコントロールすることができる為に、大切なものを見失うことがないようにして頂きたいと思います。園だけで為せることは、ほんの少しでも、ご家庭の協力を以て成すことで、大きな力を子ども達は掴むことができるのです。どうぞ我が子だけでなく園で育ち合う子ども達を真ん中において、園との相互連携へのご協力を宜しくお願い申し上げます。

 そして、この「月のおたより」は、園の保育に対する考えや各学年の保育活動の『ねらい』をお伝えしております。行事活動のおたより等もよくお読み頂き、はやし幼稚園へのご理解を深めて頂けると幸いです。
posted by はやし太郎 at 14:06| Comment(0) | 園だよリ

2019年03月01日

平成30年度 3月のおたより

平成30年度もいよいよ最終月を迎えることとなりました。園庭の梅の木に、ちらほらと花がほころびはじめました。まだ冷たい風が吹いている園庭に、まるで春の息吹を運んで来てくれたように感じます。その園庭では、どの学年の子ども達もが、本当によく遊びに興じている様子がうかがえます。特に友だちと関わり合う事が楽しくなってきた年少児達は、あまりルールに囚われない、単純な追いかけっこやごっこ遊びなどが成立するようになってきました。


また、年中児達は、より仲間意識が強くなっているのか、工作コーナーで、誘い合って同じ材料を探しながら揃え、全く同じ物を作っていたり、一緒に大きな一つの物を創り上げようとしたり、その作った物を使って、少し複雑な場面を想定したごっこ遊びを楽しんでいる姿は、はつらつとして、遊び方に勢いと各々の思考が出てきたように映ります。どの子も所在なく園生活を送っている様子は見られません。


さて年長児達にとっては、まもなく卒園を迎えるわけですが、先日取り組んだ卒園遠足は、本当に見事に子ども達の成長を感じるものでした。この取り組みを進めるに当たり、私たちが先ず考えたのは、今年施行された新幼稚園教育要領の特に「幼稚園教育において育みたい資質、能力及び幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を、どう捉え園の教育方針と整合させながら保育実践に結びつけていくことが出来るか、という課題でした。「幼児教育は環境を通して行なわれるものであり、教師との信頼関係を築きながら、幼児が身近な環境に主体的に関わり、環境との関わり方や意味に気づき、これらを取り込もうとして試行錯誤したり考えたりするようになる」という幼児教育の基本を踏まえ、私たちは卒園遠足の位置づけを、子ども達の主体的な活動の集大成として「子ども達が主体となり、先生と共に創り上げ実践するもの」ということにしたのです。今回の一連の体験を通して、誰もがその子なりに感じたり、気付いたり、分かったり、という学びに向かう姿が準備期間の始めから最後まで見られました。


また、自分たちで作る遠足ということに、一人ひとりが主体的に関わるということから、どの子も、その難しさや大変さにも直面したことと思います。けれど、それをひとつひとつ乗り越えることで、いくつもの達成感を味わい、自立への小さな一歩を踏み出してくれたのではないでしょうか。また、友だちと関わりながら、共通の目的を実現させるために、考え合い工夫し、協力する経験も積みました。子ども達が計画を練る中や当日の行動の中で、必要な事として文字や数量、時間を取り込もうとする姿も見られました。そして、公共の場所での振る舞いも、どの子も素晴らしい姿であったと言って良いと思います。疲れて帰る電車の中でも、誰一人勝手な行動をとる姿はありませんでした。往復とも周囲の乗客や駅で出会った人々から、温かいまなざしを感じ、またお褒めの言葉を頂く場面に遭遇した職員も多かったのではないでしょうか。また、ズーラシアの中での姿も、皆とても生き生きとしていました。自分たちの目的や時程を共有しながら仲間達と楽しく過ごす姿が、とても誇らしく輝いて見えました。当日は、他にも17団体がひしめく園内で、オリジナルの地図を持って、意気揚々とずんずんと進み、目的の場所にたどり着くと、じっくり見入る子ども達の様子は端から見ても、幼児とは思えない程のたくましさがありました。愉快なエピソードは各グループの先生からも沢山出てくると思いますが、年長児達にとって最後の遠足が、一人ひとりの自信と誇りを育み、楽しい思い出の一つとなってくれることを願います。


さて、このような1年を締めくくるに当たり、幼稚園の教育活動に、特段にご尽力下さいました若葉会執行部、並びに各委員会の皆様、また各サークル、父親会議の皆様に心よりお礼を申し上げたいと存じます。幼児教育は園のみが行なうものではありません。子ども達をまん中において、園と保護者そしてそれを取り巻く社会が、目の前の子ども達の成長に力を注ぎ、支え、健やかに育つ環境を、より良いものへ昇華させていくべきものだと思います。また、私たち保育者には、子ども達に対して重い責任があると思っています。それは、一人だけが良く育てばよいのではなく、どの子もが皆、健やかに「育ち合う場」としての園の役割があるということです。「心豊かにたくましく」という園の教育目標に向かって様々な保育活動を充実させ、進めてこられましたこと、全ての保護者の皆様のご支援に感謝申し上げます。本当に有り難うございました。 
posted by はやし太郎 at 13:42| Comment(0) | 園だよリ

2019年02月18日

平成30年度2月のおたより

ここに来て、寒さも厳しさを増し、巷ではインフルエンザが猛威を振るっているようです。園では、まだ若干名ではありますが、どうもインフルエンザにかかるタイミングが週末にかけてが多いような気がしています。園の中でも子ども同士の接触でうつる事もあるとは思いますが、やはり人混みや、電車やバス、映画館など密室での接触、空気感染かもしれませんね。ご家族でお出かけなどをされる時には、手洗いやうがいなど充分に気を付けたいものです。さて、2月の大きな行事としては生活展があります。この一年間の園生活を描画や作品を通してご覧頂きますが、幼児にとって、表現活動は、身近な人に伝えたい出来事や心情を受け止めてもらうことで、次への意欲が生まれるのではないかと考えております。当日は、担任と作品を通してお話をする時間もありますので、お子様とゆっくりご覧頂きたいと思います。


ところで、今年は消費税の増税があり、その税収の多くが幼児教育の無償化や社会保障の充実へ向けられることになっています。しかし学園として、まだ確実な情報を掴みかねており、事務的な対応も含め、どのようになるのか、多少の不安を抱えております。また、無償化の条件として、幼児教育の質の向上が求められているとはいえ、現実問題、地域や環境などに大きな差や違いがあるのは否めません。これらがどの様に是正されていくのか、多くの幼稚園、保育園の現場で新しい教育要領、保育指針に対しての正しい理解と保育実践がどの程度、保障されていくのか、など、自園の保育の向上も含め、難しい問題は山積しています。こんなことを考える日々の中、ふと、晴れた青空の下で、活き活きと遊び、闊達に園生活を送る子ども達を眺めていると、この子ども達が担っていくであろう「未来」を想像することの難しさも感じます。私が子育てに明け暮れていた30年前、今のような、スマホの普及や人との関わり方の一つであるSNSの在り方、科学技術の活用としてのAIロボット(人工知能)との付き合い方など、どれも想像できませんでした。けれど、過日の新聞で、2050年には、このAI(人工知能)が人間の知性を超える時代になる、という記事を目にしました。目の前で元気に遊ぶ子ども達は、AI(人工知能)と共生する社会を創造していくことになるのでしょうか。人間の能力は、技術の発展と反比例して衰えていると言われています。スマホの普及は人間の考える能力を奪っているとも言われています。30年後の社会では、人々がAIに支配されるのではなく、AIに新しい仕事を与えられるような発想力を求められているのです。そして、その為にもこれからの子ども達の教育に求められているのは、子どもが、自ら興味を持ち、探究していく力、人やものとの関わりの中で、問題を解決に導くことのできる力なのです。ある意味、人間らしさ、人間力をどれだけ豊かに育む事ができるか、ということになるのでしょうか。2025年には今の仕事の半分が消滅すると言われています。知識をたくさん覚えたり、早く間違わずに計算したりということは機械、AIに任せる時代です。仕事の成り立ちを0から10までと仮定すると、これからの時代に仕事の中で求められている人間力は,0から1まで、つまり何もない所からアイディアを生み出す発想力と、9から10まで、これは、完結させ、まとめあげ、形にする力であると言われています。

記事はパスカル(哲学者)の言葉で締めくくられていました。『人間は葦に過ぎない、だが、考える葦である』これは人間は弱いものであるが、考えることができる為に尊厳がある、ということ。そして、『すべての人間は幸福を求める。これこそが、あらゆる行動の動機である。』今月は日本経済新聞の特集からの引用が大きく占めましたが、この記事を理事長と語り合い、これからの幼児教育の方向性に共感できるものでしたので保護者の皆さまにお伝えさせて頂きました。あしからずご了解ください。


子ども達の未来が豊かで温かい人間性に満ちたものになることを,心から願い、そんな社会を創造できる力を、子どもたち一人ひとりの人間性の中に育めるように、成長を見守っていきたいと考えます。


年長児たちが最後に取り組む卒園遠足も、少しずつ準備が進んでいます。まずは、一人ひとりが自分の考えを持つこと、それを伝え合い、次に相手の気持ちや考えを理解しようとすることを通して、自分達で創り上げていく経験ができるように進めていこうと考えております。また、公共の場所でどのように振る舞うことが大切か、ということも皆で共有していきたいと考えております。
posted by はやし太郎 at 09:50| Comment(0) | 園だよリ